美味しそうな野菜が実り色とりどりだった農園も、収穫のピークが過ぎると少しずつ元の何もない土だけの場所に戻っていく。そこにできたスペースに置かれたのが、「地飾」と呼ばれる作品だ。地域の草刈りをして集めた草を重ねて大きな球体を作り、それを種に見立てている。そしてその種に寄り添うように囲んで置かれている大きな布。一枚一枚異なる模様の染みがついたこの布は、「泥んこあそび」の時に着た「てる布」である。地飾は、農園一帯を使って学生と地域の方々の繋がりを形にすると共に、農園の将来が明るくありますように、という次世代への希望が込められた作品である。
農園に現れた二つの素敵なプレゼント。見に来た方々は、農園に一歩足を踏み入れるとそれをじっと見つめる。その表情は、「泥んこあそび」の時を思い出してふふ、と笑う優しい顔だったり、種の大きさに目を丸くしてびっくりする顔だったりと、見た人によって全く異なる。感じ方はそれぞれ違っても、地飾をしっかりと目に焼きつけ、学生からのメッセージを感じ取っていたのだろう。